2010年02月23日

「大型連休の分散化」って?

2月14日付け産経新聞によると、政府は連休の時期を地域ごとに分散させるため、祝日法の改正を検討していると言う。
検討しているのは、政府の観光立国推進本部に設けられた「休暇分散化ワーキングチーム」(座長辻元清美国土交通副大臣)で、さし当り、5月と10月の大型連休の交通混雑緩和を目指している。

このような連休分散化を図れば、観光地での交通の混雑緩和や、閑散期の集客などの効果が期待でき、内需拡大につながると言うのである。
今のところ、国内を5~6地域に分け、例えば5月なら、ある地域は第1週、別のブロックは第2週といった形で休日を設定する。
また、これまで実施してきた国民の祝日を月曜にして土日と3連休にする「ハッピーマンデー」は記念日のもともとの意味が分からなくなるなどの理由から廃止するということで、実施は平成23年度が考えられている。

果たしてそのような効果があるのだろうか。
確かに交通機関の混雑緩和効果は大きいだろう。しかし、マイナス面も少なくないのではないか。
例えば、大都会で働く人が、特に単身赴任の場合、大型連休で実家に帰っても、実家のある地域では休みでなければ、家族旅行もできない。
全国展開している企業も地方の取引先と休みが違えば休日出勤を余儀なくされるなど、問題点も少なくないと思われる。

日本は領土が狭く、行政的にも地方主体になっていないことから、全国的に違うカレンダーを使用すると、不便だったり、不都合なことが多いのではないか。
少なくとも、こうした点を十分検証し、経済効果も試算したうえで決めるべきで、机上の思い付きだけで実施することには賛成できない。





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Posted by hamachan at 15:13
 
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プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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