2009年07月21日

衆議院解散で思うこと

いよいよ総選挙となったが、私は経済政策としては、雇用環境の改善が急務だと考えている。

景気の転換局面をとらえるための指標である内閣府の7月の景気動向指数によると、急速に悪化してきた今回の景気は「下げ止まり」になったと言う。
急速な落ち込みは3月ごろが「谷」であった可能性があるというのだ。だからと言って、今後、谷底から一気に這い上がる状態になるとは言えない。

何よりも、雇用環境は一向に改善する兆しが見えず、有効求人倍率は5月に過去最悪の0.44倍。つまり、仕事を求める人が100人居るのに、求人は44人分しかない。
また、失業率も5.2%と、過去最悪の5.5%に迫っている。身近なところでも、職探しに苦労している人から相談を受けたが、妙案は出て来なかった。
賃金の不払いや違法解雇などの労働トラブルが続発していることも報道されている。

日銀の分析では、2008年秋以降、雇用者数の減少は、GDP(国内総生産)の落ち込みほど大きくなかったと言う。
ただし雇用者数と労働時間を掛算した労働投入量で見ると、GDPと同じように落ち込んでいる。
このことは、景気が回復に向かっても、労働時間が増えるだけで、すぐには雇用者数の増加に結び付かないことを示している。
真に実感できる景気回復には、相当時間がかかる可能性があり、短期対策だけでなく中長期的な雇用改善の戦略が求められている。

  


Posted by hamachan at 14:04

2009年07月07日

日本が世界第2の経済大国から転落する日

6月19日の閣議に報告された『2009年版通商白書』には、中国の名目GDP(国内総生産)が日本を上回って世界第2位の経済大国となり、日本は3位に転落する日が近づいていることが指摘されている。

その時期については、IMF(国際通貨基金)は2010年としているが、場合によっては、2009年に早まる可能性も否定できないというのである。
言うまでもなく、中国の経済成長率は、2008年までの30年間に年平均9.8%と、日本の高度成長期の9.2%を上回る高い伸びを示し、日本を急速に追い上げてきたことによるものである。
各国のGDP比較はドル建てで計算されるため、今後の日本と中国の通貨のドル建ての価値がどうなるのかも影響する。

第1位の米国のGDPは、日本や中国の3倍以上で、世界の4分の1を占めるくらいあるので、米国を抜くのはそう簡単ではなさそうだ。
しかし、バブル崩壊後、低成長が続き、人口も減少し始めている日本は、もはや第2位を取り戻すどころではない。
大事なことは、日本がアジア首位の経済大国ではなくなることを卑下したり、中国脅威論を振りかざしたりしないことではないか。
アジア圏は全体として見ると、今後も欧米より、高い成長が期待されている。
日本としては、そのアジアの一員として、日本の持つ優れた技術力や、言論の自由などの民主的な社会風土を生かして、アジア諸国と緊密な信頼関係を構築し続けることが大事だと思う。
また、現在アジア首位である日本の一人当たりGDPを今の世界17位から引き上げる努力も欠かせない。

  


Posted by hamachan at 13:50
プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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