2011年09月20日

11兆円の復興増税は妥当か

東日本大震災の復興に充てる財源として、政府の税制調査会は9月16日、11.2兆円の増税案をまとめた。
この案には、「次の世代に負担を先送りしない」という野田総理の意向が強く反映されていると言われているが、与党民主党の税制調査会からは、増税反対派から不満の声が続出しており、すんなり結論が出せる情勢ではなさそうである。

あの巨大な地震・津波の被害と、半年たってなお収束の見通しが立たない福島原発事故からの復旧・復興について、政府は今後、16.2兆円の財源が必要になると想定している。
このうち、5兆円は政府保有のJT株売却など税以外の収入で賄い、残りの11.2兆円を何年かかけて、所得税、法人税を中心に増税しようとするものである。

増税の規模は、当初の考え方より2兆円圧縮されたと言うが、果たして妥当なものと言えるだろうか。
今のところマスメデアの論調としては、「消費税増税も排除すべきではない」とか「歳出の削減をもっと上積みする必要がある」といった批判はあっても、これだけの災害を厳しい財政事情の中で復旧・復興しようとすれば、基本的に「一定の増税はやむを得ない」という考え方が多いようである。

しかし政府は、民主党税調の「増税に全く反対」とする意見にも耳を傾ける必要がある。
それは、これまでの消費税創設その他の増税の場面では「理屈としては理解出来ても増税には反対する」という世論が存在してきたからである。

したがって、徹底的に知恵を絞り、増税の幅をもっと思い切って縮小する努力が欠かせないことは言うまでもない。
さらに「公務員の定員削減」を一歩進めて、地方自治体も含めた議会の議員定員の縮小といったところまで踏み込むべきではないかと考える。  


Posted by hamachan at 14:11

2011年09月07日

厚労相の「たばこ1箱700円」発言

発足したばかりの野田内閣の小宮山厚生労働大臣が5日の記者会見で、「たばこは、1箱(20本入り)700円くらいまで値上がりしても税収は減らない」と発言したことが各方面に波紋を広げた。

現在、1箱約400円のものを300円引き上げてたばこ離れが起こっても、値上げによる税収増加で相殺され、国民の健康も守られるという主張である。

これに対し、閣僚の間から批判的な意見が出たほか、JT(日本たばこ)は昨年秋に続く大幅値上げに反対を表明し、大震災からの復興の財源としては、政府保有のJT株(1.7兆円弱)を売却してはどうかと、提案している。

たばこを吸う人と吸わない人とでは、意見は全く異なるだろうし、国論を二分するようなテーマである。
賛否については、小宮山大臣が翌日、再度の記者会見で認めているように今後、税制調査会などで詰めた論議をすればよいと思う。

気になったのは、この問題について出されたさまざまな発言の中で、厚生労働省がずっと検討しているのに「小宮山大臣の個人的発言だ」と官房長官が勝手に述べたり、「内閣の意見不一致」、あるいは「政府部内で意見を調整してから発言すべき」といった発言の仕方に対する批判である。

確かに大臣としては、なるべく慎重に発言しないと混乱を招くという点は、重要である。

しかし、こうした国民的に関心の深い問題は、広く議論をしてもらえるような大胆な大臣発言があっても良いのではなかろうか。
小宮山大臣の任命権者の野田総理はヘビー・スモーカーとか。
その下で、あえてたばこ税の増税を主張するというのは、勇気のいることではなかったかと想像する。
  


Posted by hamachan at 16:40
プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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