2009年02月24日

清武町の住民投票結果に思う

宮崎市との合併の是非を問う清武町の住民投票が2月22日に実施された。
結果は既に報道されている通り、投票率はほぼ60%に達し、小差ながら合併賛成派が多数を占めた。

清武町では、2004年11月にも住民投票を実施いしている。
このときは「合併しない」という票が上回り、佐土原、田野、高岡の3町が宮崎市と合併したときも参加せず、自立の方向を選択していた。
しかしその後、町長選挙で宮崎市との合併を公約に掲げた現町長が選出され、合併法定協議会を設置して来年3月の合併を目指していた。
ところが住民団体から住民投票を求める直接請求が出され、町議会で可決されて2度目の住民投票となったのである。

今回、合併賛成が上回ったことにより、合併実現に向けて、大きく動き出すであろう。
しかし、反対票との差はわずか400票弱であり、町民の間でしこりを残さないで協力して行けるかどうかが課題である。

市町村合併について、忘れてならないのは、佐々木信夫中央大学教授が本県での講演で言われた「小異を捨てず、大同につく」という精神ではないか。
地域には千の個性があるとも言われる。
合併反対の人々が感じているのは、経済あるいは暮らしの問題かもしれない。それだけでなく「清武町が育んできた文化や情緒、歴史といった大事なものが失われ、衰退する

のではないか」という心配もあるだろう。
合併の相手となる宮崎市の市民の一人としては、こうした清武町民の気持を十分くみとり、共に手を携えて発展を目指す必要があるとつくづく思う。
合併は終点ではなく、これからすべてが始まるのだから。


  


Posted by hamachan at 15:00

2009年02月09日

危険な「政府紙幣」発行論

経済情勢が危機的な状況に陥ると、全く奇抜なアイデアが出てくるものである。そういうアイデアがあってこそ、危機を乗り切ることが可能になる場合が少なくないのであるが、最近、一部の政治家などから出てきた「政府紙幣」発行論は、どうであろうか。

急激な景気後退に対し、巨額の国債残高を抱えている政府としては、思い切った景気対策を打ち出したくても財源をひねり出すのが難しい。
そこで、国債発行を増やさずに、政府の判断で機動的な景気対策に振り向けられる財源として「政府紙幣」発行論が出て来た。

私たちが使っているお札は、言うまでもなく、日本銀行が発行している。一方、コインは政府が発行しているので、お札を政府が発行してもあまり違和感を抱かないかもしれない。

しかし、日銀の白川総裁が2月上旬の記者会見で明らかにしているように、コインは市中に出回ったあと日銀に還流してきた段階で、政府はこれを回収するための財源を必要としている。「政府紙幣」も日銀に戻ってきた段階で回収資金の調達が必要になり、その意味では、政府が発行した国債を日銀が引き受けるのと同じことになると言う。

仮に、政府が「政府紙幣」を回収せず、日銀に保有させ続ける場合は、回収資金が不要となるが、転売のきかない「無利息の永久国債を日銀に引き受けさせる」結果になり、通貨の信認が損なわれたり、長期金利の上昇やインフレを招くおそれもある。

この危険なアイデアは、自民党内で来月にかけて検討されるようである。党内には、[政府紙幣はマリファナのようなものだ]という反対論も強まっており、実現の可能性には疑問符が付くが、ものごとの本質を見極めることの重要性を改めて感じさせられる。

ちなみに自民党は、無利子の国債を発行し、これを購入した人の相続税を減免するという構想も併せて検討すると伝えられるが、全体の数%の人しか納めていない相続税の減免は、今以上の格差の拡大につながるおそれが強いだろう。
  


Posted by hamachan at 14:49
プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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