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Posted by みやchan運営事務局 at

2009年03月24日

「合成の誤びゅう」で貸し渋り?

世界を覆っている経済危機は、いつになったら終息するのだろうか。
政府・日銀は、さまざまな施策をとるようになってきたが、日銀の白川方明総裁は3月17日の記者会見で、金融機関が経営体力の低下から、貸し出しを渋ることがないように「劣後ローン」を提供する方針を明らかにした。

「劣後ローン」と言うのは、「劣後債」という社債に基づくローンで、元利返済の優先順位が低く、借り手が経営破綻した場合、返済不要となる部分があり、その分、通常の社債より利回りが高い。
市中銀行がこの「劣後債」を発行し、日銀に引き受けて貰えるとすれば、その一定部分を自己資金として算入できることから、自己資本を手厚くすることが出来る。

日銀が「劣後ローン」を提供すると言うのは、まさに市中銀行の自己資本を強化させることに狙いがある。白川総裁は記者会見でこう説明している。
今後、株価が下落するなどして金融機関の自己資本比率が低下し、貸し出し態度が慎重になったり、いわゆる貸し渋りになると、個々の金融機関にとっては、リスクが減少し、安定した経営になるとしても、融資が受けられない実体経済の方は深刻な影響を受ける、こうした事態を防ぐというのである。

このように個々の主体にとっては正しいことをしても、全体としてみると正しいとは言えないことを「合成の誤びゅう」と言う。経済現象では、不況になって、財布の紐を固くしてしまうことは、家計としては正しい対応の仕方であるが、皆がそうすると、経済社会全体としては、不況がますます深刻になることを典型的な「合成の誤びゅう」と言うが、ほかにもいろいろな事例がありそうだ。


  


Posted by hamachan at 15:11
プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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