2012年05月09日
原発ゼロの日々
北海道の泊原発3号機が5月5日、定期検査のために発電を止め国内50基の原発がすべて発電を停止し、原発ゼロの日々となっている。
このことについては、既にマスメデアで多くの論評がなされているが、大事なことは、繰り返し強調する必要があると思う。
原発が一時的かどうかは別として、日本でゼロの日々がやってくることは、去年の「3.11」のあと早い段階で予測されていた。
もし、原発を再稼働しなければやっていけないのであれば、そのためには再稼働のリスクがどうなのかの検討を急ぎ、国の長期的なエネルギービジョンや、原発安全に向けての規制の在り方を示すなどの対策に国や電力会社は全力を挙げるべきであった。
しかし、現実には何もできていない。
このため原発存続論者は、夏場の電力供給に一層の不安を募らせ、原発廃止を訴える側からも「急進的な脱原発志向ではない人々」が経済や生活に影響が出るのではと懸念の声を挙げている。
今後の対策として、夏場の節電を促すため、家庭用料金についてきめ細かい料金格差を付ける、山中の高いところと低いところに貯水池を設け、電力使用の少ない時間に水を汲み上げ、電力使用ピーク時に発電する巨大な蓄電池とも言える「揚水発電」の活用を増やす、それと夏場の電力不足が最も心配される関西で、大飯原原発3、4号機の再稼働を進めるといった点が報道されている。
しかし、いずれも決め手になるかどうか不透明である。
原発問題は、福島第一原発の事故以来、トラブル隠しの「“原子力”ムラ」の存在が表面化し、「社会の信頼性」が根底から揺すぶられ、何か改革の手が打たれようとしても、人々が信頼して付いていけない状態になっている。
原発ゼロがそうした中で起こったことを考えれば、ここは急がば回れで「“原子力”ムラ」の大改革から取り組むべきではないか。
電力不足の不自由な生活から、意外な節電効果のある手段が見つかるかもしれない。失われた信頼を取り戻すことができなければ、いつまでたっても、本当の解決策にはなり得ないと考える。
Posted by hamachan at 13:54