2012年02月10日
経常収支赤字国に転落する日
2011年の貿易収支が31年ぶりに赤字となったニュースに続いて、経常収支の黒字幅も15年ぶりに10兆円を割り込んだことが財務省の調べで明らかになった。
言うまでもなく、貿易収支は輸出と輸入の差を表し、経常収支はこれに所得収支(海外投資から得られる配当や利子など)と経常移転収支(国際機関への拠出など)を含めたものである。
米国は世界最大の経常収支赤字国であるが、日本は長年、国際競争力のある製造業が輸出で外貨を稼ぎ、経常収支の黒字を保ってきた。
かつて黒字幅が大きくなり過ぎていると批判され、貿易摩擦を引き起こした時期もあったのに、それが今や貿易赤字になり、経常収支の黒字が急減するという様変わりの状態になっているわけである。
折から、日本の輸出を支えてきた大手の電機・自動車などのメーカーで驚くような大幅赤字や減益の決算が報道されている。
日本の国力が衰えてきたことを示しており、日本が経常収支赤字国に転落する日も近いと危惧する見方も出て来た。
しかし、経常黒字減少の直接の原因としては、東日本大震災で国内生産が大きな打撃を受けたのと、超円高で輸出が減少したこと、さらに、原発事故のため割高な火力発電用燃料の輸入が増加したことなどが挙げられており、どちらかと言うと、構造的な要因より、突発的な要因の方が大きいと考えられる。
米国で見られるように、経済が成熟した国は、新興国からの輸入が大幅に増えて貿易赤字が拡大する。
その一方で、海外に工場進出を図るなど海外直接投資からの収益は増大し、所得収支の方は黒字を保つ傾向がある。
問題は所得収支の黒字を貿易赤字で食いつぶさないようにすることである。
日本も所得収支の黒字が増えつつあるが、その中身をみると、直接投資より米国債の利子収入など証券投資によるものが多いようだ。
超円高の水準にある今のうちに、海外への直接投資を推進することが望ましい。
これまで日本は、しばしば経済の難局を乗り切ってきた。
貿易収支の赤字が続けば、今の超円高は是正の方向に変わる可能性もあるだろう。
時期を見誤らず、自信を持って適切に対処すれば、まだまだ経常収支の黒字をしっかり保つことはできると信じる。
言うまでもなく、貿易収支は輸出と輸入の差を表し、経常収支はこれに所得収支(海外投資から得られる配当や利子など)と経常移転収支(国際機関への拠出など)を含めたものである。
米国は世界最大の経常収支赤字国であるが、日本は長年、国際競争力のある製造業が輸出で外貨を稼ぎ、経常収支の黒字を保ってきた。
かつて黒字幅が大きくなり過ぎていると批判され、貿易摩擦を引き起こした時期もあったのに、それが今や貿易赤字になり、経常収支の黒字が急減するという様変わりの状態になっているわけである。
折から、日本の輸出を支えてきた大手の電機・自動車などのメーカーで驚くような大幅赤字や減益の決算が報道されている。
日本の国力が衰えてきたことを示しており、日本が経常収支赤字国に転落する日も近いと危惧する見方も出て来た。
しかし、経常黒字減少の直接の原因としては、東日本大震災で国内生産が大きな打撃を受けたのと、超円高で輸出が減少したこと、さらに、原発事故のため割高な火力発電用燃料の輸入が増加したことなどが挙げられており、どちらかと言うと、構造的な要因より、突発的な要因の方が大きいと考えられる。
米国で見られるように、経済が成熟した国は、新興国からの輸入が大幅に増えて貿易赤字が拡大する。
その一方で、海外に工場進出を図るなど海外直接投資からの収益は増大し、所得収支の方は黒字を保つ傾向がある。
問題は所得収支の黒字を貿易赤字で食いつぶさないようにすることである。
日本も所得収支の黒字が増えつつあるが、その中身をみると、直接投資より米国債の利子収入など証券投資によるものが多いようだ。
超円高の水準にある今のうちに、海外への直接投資を推進することが望ましい。
これまで日本は、しばしば経済の難局を乗り切ってきた。
貿易収支の赤字が続けば、今の超円高は是正の方向に変わる可能性もあるだろう。
時期を見誤らず、自信を持って適切に対処すれば、まだまだ経常収支の黒字をしっかり保つことはできると信じる。
Posted by hamachan at 22:29