2011年12月16日

夢を抱かせる新技術

今年2011年は、大地震、津波、原発事故、超円高等々、大変な試練の年であったが、発明王エジソンが没して80年でもあったとか。
そこで年の瀬を迎えて、最近のニュース報道から、人々に明日の夢を抱かせる新技術の例を拾ってみた。

11月に、日本のスーパーコンピューター「京(けい)」が1秒間に1兆の1万倍、つまり1京回超の計算速度を達成し、7年ぶりに世界一になったことが話題になった。
このスパコンは冷蔵庫ほどの大きさの計算機を864台つないで同時に動かしたものだと言う。
ところが、国立情報学研究所が考案したレーザー光活用の新しいタイプのスパコンは、手のひらサイズで、しかも桁違いの超高速計算が可能となる。試作機は、5年後に完成するというのである。(日経9.19付)

この日の同紙には、東京農工大学で、昆虫の体液を利用して発電するバイオ燃料電池の開発が進められており、これをゴキブリに取り付けて原発の内部の情報を探ろうという試みも紹介されていた。
原発事故の復旧にはロボットが重要な役割を担うとみられているだけに、人が入れない原発内部で活躍できる多様なロボットの開発が待たれる。

実用化できるかどうかは分からないが、ユーモアある発明や研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」を今年受賞した日本人の研究は、聴覚障がい者が寝ているときに、「わさび臭」で知らせる警報装置であった。
また、東北大学などでは「音で発電」する研究も行われており、超音波を使って微小電圧の発電実験が成功したとも伝えられる。

実用化が急がれるのは、7月に報道陣に公開されたというトヨタの衝突を避けるための新技術で、クルマを運転中にブレーキを踏んでも間に合わないとき、自動制御でクルマの向きを変えるというものなど、安全を守る新技術である。

新技術が次々に登場するのは、電子工学の分野が多いが、医学や遺伝子工学でも、マウスの皮膚の細胞から精子を作るといった、一昔前には、全く考えられなかったような新しい動きが報道されている。

人材が資源という日本にとっては、こうした新技術こそが経済発展の力となる。
新技術を生かすためには、倫理的な問題などは慎重さが欠かせないとしても、新技術の応用を妨げる規制を見直すことも必要となる。






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Posted by hamachan at 13:51

プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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