2011年06月15日

遅すぎる震災対応

東日本大震災から3か月たったのに、震災からの復興があまりにも遅い。
復興の基本となる復興基本法案は、国会審議が難航したが、ようやく近々成立の運びとなった。

しかし、復興に必要な巨額の予算については、3か月過ぎた現段階で復興財源をどう調達するのか、野党との話し合いがついていない。
被災地のがれきの除去は、大幅に遅れ、仮設住宅の建設もまだ軌道に乗ったとは言えそうにない。

さらに、こんなことがどうして遅れるのかと不思議に思われるのは、震災の義援金配分である。
主に日本赤十字社に寄せられている義援金は2,500億円を超すと言うが、このうち、被災者に配分されたのは、15%程度に過ぎないと報道されている。
関係の都道府県に設けられている「配分委員会」が公正に配分しようとして時間がかかっているらしい。

これに比べ、海外から日赤に送られてきた300億円超の「救援金」は、日赤自らが救援活動をするための費用に充てられ、迅速に活用されている様子である。
お金そのものより、モノやサービスで支援するほうがしやすということだろうか。

何よりも東電福島第一原発の事故処理はいつになったら、安心できる状態になるのか、見通しがたっておらず、多くの人々を苦しめていることは、あらためて言うまでもない。
ビジネスの世界で「速度の経済性」が重視されるように、政治の世界でもスピード感がないと、駄目なのではないか。うんざりさせられている政治の争いは直ちに止め、避難先で不自由な生活を余儀なくされている被災者最優先で復興を急ぐべきである。

もっとも、原発の不安が長引けば、原発嫌いの世論がますます広がり、太陽光、風力、バイオマスなどの自然エネルギーへの期待が一層高まるという効果を生むかもしれないが‥。
















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Posted by hamachan at 11:57

プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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