2009年10月05日

鳩山政権は反グローバル派?

鳩山政権が発足してまだ1ヵ月たたないが、経済政策だけとってみても、大きな転換を目指す報道が相次ぎ、ニュース報道から目が離せない。
新政権の課題をめぐる論評も、実にさなざまである。ここでは、地球規模のグローバル化に対する新政権の取組みに焦点を当ててみよう。

新政権は「グローバル化に否定的」とか「グローバル化の現実に正面から向き合っていない」という見方が新聞のコラムなどに登場しているが、果たしてそうであろうか。
確かに、主として中小企業が賃金の安い国からの安価な輸入品に苦しめられただけでなく、原油などの国際商品の急激な値上がりが私たちの生活にただちに影響したり、米国発の金融経済危機がたちまちのうちに世界中に広がるなど、グローバリズムの副作用が目立つ。
また、新政権は内需振興を強調し、輸出主導の景気回復を諦めたかのような円高容認の姿勢も見せた。

その一方で、民主党は、当初米国とのFTA(自由貿易協定)締結をマニフェストに打ち出し、自民党等の反発を買って修正した。さらに東アジア共同体の構築を目指している。
今や、この地球上に住む限り、避けようにも避けられないグローバル化に背を向けるということは、考えられない。
ただ、グローバル化と言っても、多面的な側面があり、どこにウェイトを置くかによって、ニュアンスが違ってくるということではないか。

これまでの経験からはっきり言えることは、グローバル化による国内経済への悪影響を避けるには、その産業を単に保護することではない。それは一時しのぎにしかならないからである。
結局、技術開発の推進や構造改革によって、グローバルな世界で競争力を高めることが今、もっとも重要なことだと考える。



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Posted by hamachan at 13:36
 
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プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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