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Posted by みやchan運営事務局 at

2012年11月01日

「宮崎牛」口蹄疫からの復活

10月下旬、5日間にわたって長崎県のハウステンボスで開かれた第10回全国和牛能力共進会で、宮崎牛が日本一に輝いた。
この共進会は、和牛改良の成果を競うためオリンピックのように、4年に一度開かれているもので、今回は38道府県から480頭が出場した。

宮崎牛は、種牛・肉牛の9区分の審査のうち、5区分で全国1位に当たる「優等首席」を獲得し、各区分の順位を点数化して決める「団体賞」でも2位以下を大きく引き離して1位となった。
さらに、「優等首席」の中から選ばれる二つの内閣総理大臣賞の一つが宮崎県の種牛の部に与えられた。

肉牛の部の内閣総理大臣賞は、長崎県に譲ったが、それでも、全体としては前回の鳥取大会に続いて、宮崎牛が日本一に輝いたのである。

宮崎県の畜産は、2年半前の2010年4月から8月にかけて、爆発的な口蹄疫の感染という「悪夢」に見舞われ、塗炭の苦しみを経験させられた。
なかでも悲惨だったのは、感染をくい止めるため、疑似患畜からさらに、感染の可能性があるという元気な牛や豚まで「殺処分」されたことである。
その数は、併せてほぼ30万頭に達する。

家族同様の気持ちで世話をしてきた畜産農家の精神的な苦痛は言語に絶するものがある。
口蹄疫の感染が終息したあと半数以上の農家は畜産業をやめて行ったとも言われている。

こうした苦難を乗り越えて、立ち上がることが出来るのかと心配されたたが、今回の全国和牛共進会での宮崎牛の快挙は、関係者だけでなく、地域の人々に大きな喜びと希望を抱かせるものである。

本格的な回復はまだこれからであろうが、何事でも最悪の事態に直面すると、どん底から這い上がる力が湧き上がると言えるのかもしれない。

「失われた20年」と言われ、円高、デフレ、海外経済の不振などで、どん底を這うような状態になっている日本経済も、宮崎牛復活の心意気に学び、苦難を逆手に取る力が湧いてくることは期待できないものだろうか。

  


Posted by hamachan at 19:18
プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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