スポンサーリンク


上記の広告は一定期間更新のないブログに表示されます。新しい記事を書く事で広告が消す事ができます。

  

Posted by みやchan運営事務局 at

2012年05月21日

緊迫するギリシャ情勢

欧州危機の震源地、ギリシャが単一通貨ユーロから離脱することになるかもしれないという観測が広がり、緊迫した情勢になってきた。
5月上旬の総選挙で、財政危機から立ち直るため、緊縮政策を推し進めようとしてきた連立与党が敗北し、連立内閣の交渉も失敗に終わって、6月17日再選挙となったからである。

5月19日、米国のキャンプデービッドで開かれた主要8ヵ国首脳会議(G8)では、ギリシャにユーロ圏残留を促す宣言が盛り込まれたが、予断を許さない。
ギリシャ国民が若年層の失業率50%超という厳しい不況の下で、さらなる増税などの財政緊縮策を拒否すれば、各国がギリシャへの金融支援を止め、ユーロ離脱が現実味を帯びてくるというのである。

ギリシャがユーロ圏から離脱したらどうなるのか。
EU(欧州連合)の規程には、離脱の道筋がはっきり定められていないようである。
考えられることとしては、ギリシャの通貨がユーロから元の「ドラクマ」に戻る。

しかし、新ドラクマはユーロに対し、何10%も切り下げられ、エネルギー輸入のコストがかさんでインフレを招き、経済や国民生活がが大混乱に陥るのではないかと懸念されている。
そういう情勢になれば、ギリシャの国債を保有したり、ギリシャの企業と取引している周辺諸国の金融機関などへも大きな影響が出るだろう。

さらに、戦争などの手段でなく、話し合いで通貨を統一するという歴史的な偉業を達成し、深化と拡大を推進してきた欧州の威信が傷つくことになると言えよう。
頼みの綱は、最近の世論調査でギリシャ国民の80%は、緊縮政策を嫌っても、ユーロ圏離脱を望んではいないと伝えられることである。
  


Posted by hamachan at 13:48
プロフィール
hamachan
hamachan
浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



クローバー浜野崇好の

オフィシャルサイト

経済コラムニスト 浜野崇好 オフィシャルサイト

QRコード
QRCODE
みやchan インフォ
みやchan ホームに戻る
みやchan facebookページみやchan twitter