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Posted by みやchan運営事務局 at

2012年02月02日

大学「秋入学」への一視点

1月中旬、東京大学のワーキンググループが入学時期について、従来の春から秋に全面的に移行するという素案をまとめたことが報道され、大きな反響を呼んでいる。
東大は、早ければ5年後に実施したい意向を明らかにしている。

各マスメディアのアンケート調査では、国立大学の3~4割が、秋入学を検討すると答え、私立大学でも前向きで検討する意向を示すところが見られる。
また、平野文部科学大臣も「改革の一歩であり、シッカリ注視し、支援していきたい」と述べ、産業界でもグローバル展開を目指す企業などからは、積極的に評価する声が聞かれる。

秋入学の最大のメリットは、何よりも国際的に大勢となっている秋入学を導入すれば、留学生の受け入れや海外への派遣、海外との大学教員の交流などがしやすくなり、増加が見込まれることである。

殊に日本から海外に留学する学生が少なく、内向きになっているだけに日本からの留学を増やし、若者の国際感覚を磨いてもらいという期待がある。
大学側には、日本の大学の国際的な評価を高めたいという願いもあるようである。
また、入試から入学までに生じる半年間の「ギャップタイム」を海外へのホームステイや、ボランティア活動など多様な経験を積む場にしてもらいたいという考えも示されている。

しかし、これまで私立大学で秋入学を試行して、うまく行かなかった例もある。
アンケート調査には、医学系や教育系の大学で秋入学に消極的な姿勢が示されているようだ。
これは医師や教員になるための資格試験が春に卒業することを前提にしているためと考えられ、こうした秋入学・卒業の環境が整備されなければ、卒業が半年~1年延びることによる学生の経済的な負担が重くなるだけでなく、年金にも影響するであろう。

さらに、こうした環境整備を短期間で行うことは困難という見方からであろうか、当分は春、秋の入学を混在させるという案が出ているが、その場合、就職を受け入れる企業側はどうするのだろうか。この際、通年採用に気に切り替えてはどうかと言われるが、一気にできるのだろうか。

秋入学の導入は、確かにメリットが大きいと思うが、反面で生じるさまざまな影響を熟慮し、デメリットを少なくする必要がある。




  


Posted by hamachan at 16:22
プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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