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Posted by みやchan運営事務局 at

2011年05月08日

批判強まる日本の「情報開示」

前回、福島第1原発の事故について、情報開示が適切でないことを指摘したが、その後、次々と具体的な問題が表面化してきた。
例えば、放射能の影響を予測するシステム、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)で作成された影響予測図が4月中旬までに2枚しか公表されず、政府は5月2日になってようやく、これまで作成していた約5,000枚の予測図を順次公表すると発表した。
この予測図には、原発30キロ圏外の飯館村などへの放射性物質の拡散が早い段階で予測されていたほか、3月12~15日に起こった1~4号機の水素爆発や火災の影響予測が作られていたと言う。
その概要だけでも早く公表していたら、風評や無用な被ばくを減らせた可能性がある。

予測図の公表が早い段階で行われなかったことについて、「不安感を与えてパニックになることを恐れた」という関係者のインタビューがテレビで放映された。
確かに原発事故の影響は、一般には分かりにくいだけにパニックを避けるためにやむを得なかったという考えも理解できない訳ではない。

しかし、予測の根拠を明らかにし、どの程度の確率で当たりそうかについて、きちんと丁寧に説明すれば、少なくとも大きなパニックにはならないのではないか。
むしろ、こうした「情報隠し」があとで判明すると、政府や東電が公表する情報には、「もっと危険な情報が隠されているのでは?」という疑いがつきまとい、信用性が失われる恐れがある。

同じ時期に、ゲームという生活に身近な娯楽に関わるインターネット配信ネットワークにハッカーが侵入し、膨大な個人情報が漏れた疑いがもたれたソニーについても、情報開示の遅れが原発事故と併せて問題になった。
さきに米国などで問題になったトヨタ自動車の大量リコールも含めて、日本は政府も大企業も、情報開示が迅速に行われない体質があるという批判が海外で強まっており、ロイター通信からは「日本企業の技術は一流でも広報は二流」」と、批判されている。

東日本大震災に対しては、国内だけでなく、アフリカの貧しい途上国や、アフガニスタンのように内乱を抱えている国からも義援金が贈られて来たと報道されている。
また、福島原発事故には、今後のエネルギーの在り方ともからんで、その回復に世界中から大きな関心が寄せられている。
こういうときこそ情報は隠さず、正確にいち早く発信する必要がある。  


Posted by hamachan at 00:00
プロフィール
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浜野崇好(はまのたかよし)

経済コラムニスト



1935年6月宮崎市生まれ



NHK経済記者・解説委員を経て、宮崎公立大学学長・理事長。

退任後、フリーの経済コラムニストとして活動。



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